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デジタル マーケティング

使い勝手の原則、5つのユーザビリティ特性

『使い勝手の原則、ユーザビリティ特性』

ウェブサイト(ホームページ)の使い勝手が悪ければ、ユーザーは「買わない」のではなく「買えない」という状態に陥る。せっかくの販売機会を逸失しないためにも、使いやすさを求めていきたい。今回は使い勝手の原則でもある5つのユーザビリティ特性を解説する。

そもそも、なぜユーザビリティが重要なのかを確認しておこう。一般のウェブサイト(ホームページ)は、原則として”セルフサービス”で利用するものである。取扱説明書もなければ、操作トレーニングセミナーもない。ユーザーはこれまでの操作経験をもとに各サイトを利用するわけで、だからこそ使い勝手や使いやすさというユーザビリティが重要となってくる。販売増に直結することでもあるので、ユーザビリティ改善に優先的に取り組む企業が増えているのもうなずける。
さて本題に移るにあたって、まずユーザビリティの基本概念をおさらいしておきたい。基本概念は3つで、1つ目はユーザビリティすなわち登録とか購入などの、いわゆるタスク課題をきちんと完了することができるかどうかの「有効さ」、2つ目はそのタスクを完了するのにどれだけの労力を要するかの「効率」、そして3つ目はそれらをどれだけ快適にできるかの「満足度」である。今回はこの基本概念か
ら一歩踏み込んで、特性によってまとめた5つのユーザビリティ特性について解説していく。
ニールセンによる5つの原則
一口にユーザビリティといっても、場面によって特性が異なる。その特性を整理してわかりやすくまとめたのが5つのユーザビリティ特性である。ユーザビリティ研究の第一人者、ヤコブ・ニールセン博士によるもので、特性を、学習のしやすさ、効率性、記憶しやすさ、間違えにくさ、そして主観的満足度という5つの原則で表わしている。それぞれ具体例に当てはめながら説明していこう。
図1 ユーザビリティ特性
(1)学習のしやすさ
初めてそのウェブサイトを訪れたユーザーが、どれだけ簡単に学習できるか、つまりどれほど容易に使いこなせるようになるかということである。ごく当たり前と思うかもしれないが、最近はデザインや見栄えを優先するあまり、意外と軽んじられているケースが少なくない。基本的なところでいえばウェブサイトのリンクがそうだ。ウェブサイト上でユーザーがもっとも多く行う行動は「リンクのクリック」だ。そのリンクが、クリック前の青色で、クリック後は紫色に変わっていれば(図2)、ユーザーは訪問済みのリンクは色が異なる、ということを学習していく。旅行会社のウェブサイトは反復閲覧が頻繁に行われることが多いので、このような学習効果には特に配慮したい。
学習のしやすさの例
(2)効率性
そのサイトを学習したユーザーが、どのくらい効率的に利用できるようになるかということである。たとえば、オーストラリアの航空券を探しているとき、日付などの条件を変えて再検索するのにまた世界地図まで戻るようであれば、とても効率性が高いとは言えない。検索し直すにしても、先に入力した条件が引き継がれていれば効率的だし、システム的にそうできない場合でも、せめて世界地図でなくオーストラリアからの再検索という効率性をもたせたい。
(3)記憶しやすさ
海外旅行をする日本人の1年間の旅行回数は平均で1.6回。うち約7割は年1回しか行っていない。とすると旅行会社サイトは日常的利用ではなく不定期利用のほうが圧倒的に多いはずだ。そのような不定期利用のユーザーでも、再訪して利用するときにそのサイトの操作を容易に思いだせるような覚えやすさがあれば、再学習の必要もなくなり、それだけユーザーの負担も軽減される。
(4)間違えにくさ
ユーザーが操作を誤らないウェブサイトというのは皆無といっても過言ではないが、大切なのはどれだけ間違い(エラー)を起こしにくいものにするか、そしてエラーを起こしても、どれだけ簡単に回復できるかということだ。たとえば入力画面でユーザーが何らかの入力ミスをしたらエラーメッセージを表示するわけだが、その表現があいまいだと回復は難しくなる。
図3 エラーメッセージがあいまいな例
たとえば図3のようなエラーメッセージだけでは、ユーザーはどのような入力ミスをしたのかがわからない。英数半角のところを全角で入力しているかもしれないし、メールアドレス以外の情報を入力しているのかもしれない。また上段の入力と確認用の下段の入力が異なっているためのエラーかもしれない。このような場合は、たとえば2回入力不一致のミスであれば「入力したメールアドレスが一致していません」と明示することで、ユーザーは悩むことなく容易に回復できる。またあらかじめ入力画面上で、入力は英字半角であることを明記しておくとか、「(例)yamada@xxx.jp 」のようにサンプルを挙げておくなどして、入力ミスを予防する工夫も、間違えにくさの技法として有効だ。
(5)主観的満足度
ウェブサイトが”セルフサービス”であることは冒頭に述べたが、言い換えれば主導権をユーザーに与えるということだ。そしてユーザーが使いこなしたという達成感を得られればそのサイトに対しての満足度にもつながりやすくなる。ただ、操作指示が命令調だったりエラーメッセージが冷淡だと、機械に操られているような気分になり、逆にユーザーの不満度が高まることになるので気をつけたい。
また、主観的満足度は配慮ひとつおろそかにすることで損なわれるリスクがある。たとえば日本語での入力欄なのに姓名順が英語風に逆になっていたり、性別欄の選択ボタンがデフォルト(初期値)で男性になっているなどというのは不用意に主観的満足度を損なうことになる。ボタンひとつに至るまで、ユーザー中心設計となっているかどうかを意識するようにしよう。
自社サイトのユーザビリティの良しあしを知るには検証が必要だ。その手法は次回解説する。
(2009年2月2日号掲載)