ホーム > コラム・講演 > ユーザーに「見つけてもらう」、ネット広告の有効活用

ユーザーに「見つけてもらう」、ネット広告の有効活用

週刊トラベルジャーナル誌 週刊トラベルジャーナル誌 執筆・鶴本浩司

『「見つけてもらう」インターネット広告』


旅行商品の購買段階では比較行動が以前にも増して活発化するわけだが、これは逆を言えばユーザーと接点を生み出すチャンスでもある。そこで重要なのは、ユーザーにいかにして「見つけてもらう」かである。今回は見つけやすさとは何か、そして見つけてもらう機会を増やすインターネットの広告はどのようなものがあるかを解説する。


接触機会を簡便につくる

 ユーザーが自社ウェブサイト(ホームページ)を訪問して、購買などのアクションにつながればコンバージョン(最終成果)に結びつくわけだが、そもそもユーザーと巡り合わなければビジネスの機会すら生まれない。つまりユーザーに"見つけてもらう"ための「ファインダビリティ」が重要となる。ファインダビリティとは、情報の見つけやすさのこと。ユーザーにどのようにして見つけてもらうかが鍵を握る。


 ところで、「見つけてもらう」ためには、接触する機会を増やす必要がある。しかも接触回数が多ければ販売機会の拡大にもつながりやすい。このことはザイオンスの熟知性の法則として学術的にも有名だ。この法則を簡単に説明すると、接触機会が多ければ好感度は上がるというもので、広告業界ではセブンヒッツ理論とも呼ばれている。3回の接触で認知が高まり、さらに接触を重ねて好感度が上がれば、7回の接触で購買に結びつきやすくなるという(図1)。


図1 ザイオンスの熟知性の法則 接触回数が増えることで購買に結びつきやすくなる


 この接触機会を簡便に増やす方法が広告となる。それではオンラインマーケティングではどのようなインターネット広告があるのだろうか。
 一言でインターネット広告といっても多岐にわたる。最近ではユーザー行動に合わせた広告配信の手法も本格化してきた。そんな最新トレンドも含めながら、主だったインターネット広告を解説する。


図2 インターネットの広告効果


(1)バナー広告
 ウェブサイトの上部や右側に表示される、長方形や正方形の画像広告のこと。クリックすることで広告主のサイトに移動する。
 イベント会場の垂れ幕や横断幕のことを「バナー(Banner)」と呼ぶが、ウェブサイトでも同じ考え方でバナーと呼ぶようになった。ユーザーの目につきやすい場所に表示され、ビジュアルで表現力豊かである。ただしユーザーもバナー広告を宣伝と認知しているので、繰り返し表示することでの認知向上の活動と位置づけたい。
 ちなみにヤフーのトップページ右側に表示される「ブランドパネル」と呼ばれるバナー広告だと、1週間250万回表示で約210万円から。しかもローテーションで他の広告と交代制で表示される。もちろん下階層の「トラベル」への広告であれば当然ながらこれよりコストを抑えられるし、他のサイトであればさらに安い料金設定も多い。いずれにしても直接的な費用対効果を求めると厳しいので、露出がメインの目的と割り切るほうがいい。


(2)テキスト広告
 ウェブサイト上に文字のみで構成する広告のこと。1行の広告が多い。バナー広告のようなビジュアルな表現力はない。しかし、そもそもウェブサイト閲覧の多くはテキストの文章を読む行為である。そのことを考えると、バナー広告よりも読まれやすいという特性がある。


(3)リッチメディア広告
 ブロードバンド普及が79.6%となった今、動画や音声など、画像以上の豊かな表現力のコンテンツも一般的になってきた。これらのメディアを総じて「リッチメディア」と呼ぶ。リッチとは「豊かな」という意味。その広告を「リッチメディア広告」と呼ぶ。ウェブ画面上に覆いかぶさるように登場する「フローティング広告」や、表示するときだけ拡大される「エクスパンド広告」、動画そのものを表示する「ストリーミング広告」などがある。表示回数だけでなく秒数によっても料金が異なる。


(4)スポンサーシップ広告
 ユーザーの多いウェブサイト上で、「特集」などのような形式でコンテンツ記事風に仕立てた広告のこと。雑誌で「タイアップ広告」などの名称で親しんでいる旅行会社や政府観光局、航空会社も少なくないと思うが、これはそのウェブ版だ。


(5)コンテンツ連動型広告
 旅行サイトをはじめ、ニュースサイトや個人ブログなど多くのウェブサイト上で、そのページの文脈(コンテキスト)に合わせて表示される広告。たとえば個人ブログで「先週、シドニーへ旅行に行きました。航空券はネットで購入しました」というページがあれば、差し込みで「シドニーおトクな航空券」という広告が表示されるというものだ。


(6)メール広告
 主要サイトが配信する定期メールマガジンの文中に、5行程度のテキスト文を差し込んで表示する広告。さらに1号をまるごと買い切り、「号外」や「増刊号」などの名称でまるごと広告とすることもある。また、画像などの表現力をもったHTMLメールマガジンも増えている。


(7)検索連動型広告
 ヤフーやグーグルなどの検索サイトにおいて、ユーザーの検索したキーワードに連動して、検索結果ページに表示するリスティング広告のこと。このことは本稿で2008年9月15日号、29日号に詳しく述べたのでそちらを参照されたい。


(8)その他
 携帯サイト向けの「モバイル広告」や個人ブログと連動した「ブログマーケティング」、ユーザーが見るコンテンツの傾向に合わせてカスタマイズした広告を配信する「行動ターゲティング広告」がある。なかでも行動ターゲティング広告は今後の大きなトレンドとなるので、また別の機会に取り上げたい。


図3 広告の例


(2009年3月30日号掲載)


?