ホーム > コラム・講演 > 〜セカイカメラ〜拡張現実が変える、観光の世界

〜セカイカメラ〜拡張現実が変える、観光の世界

週刊トラベルジャーナル誌 週刊トラベルジャーナル誌 執筆・鶴本浩司

『拡張現実が変える、観光の世界』


インターネット生活を劇的に変えると言われている技術が「拡張現実」だ。現実世界にデジタル情報を重ねる、この次世代技術が観光に与える影響は大きい。その中でも注目を集めている「セカイカメラ」を取り上げる。


拡張現実とは、現実空間上にデジタル情報を重ねて表示する技術のことを言う。現実をデジタル技術で文字通り「拡張」するもので、仮想現実とは違う。英表記だと「AugmentedReality」で、その頭文字をとって「AR」と呼ぶことも多い。その拡張現実の中で最も話題を集めているのがセカイカメラだ。


 セカイカメラは携帯端末上の映像機能で、目の前にある風景や建物などを映すと、その対象物に関連した情報を付せん紙を貼り付けるように重ねて表示するという拡張現実ソフトウェアである(カメラ製品ではない)。文字情報はもちろん、画像や音声なども貼り付けることができる。これらの付加情報は「エアタグ」と呼び、ユーザーが自ら貼り付けることも可能となっている。


 観光分野での実際の活用事例も登場し始めている。岐阜県は近ごろ、観光情報など県公式のエアタグ全3711件を整備するなど、セカイカメラを利用した観光モデル事業を本格化させている。県情報産業課では、高山市内での観光客の回遊性を高めるためにセカイカメラを使った「iPhone おさんぽコース」を設置。市内の観光施設や飲食店などのエアタグを公開した。また関ケ原町では、「関ケ原歴史散策」でセカイカメラを使った観光情報の提供に取り組んでいる。


 情報だけでなく観光プロモーションとして活用することもできる。佐賀市では佐賀城下ひなまつりでセカイカメラを使ったクイズラリーを実施した。旅行業界に目を向けると、楽天トラベルがセカイカメラと提携し、国内約2万3000件の宿泊施設情報をエアタグで掲載することを発表している。


 なお同ソフトが使えるのは、現在はアイフォーンとアイパッドだが、グーグルフォンで知られるアンドロイド携帯端末向けのサービス開始も予定される。


セカイカメラ

(2010年6月7日号掲載)


?