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デジタル 消費者行動

ウェブサイト改善への10大チェックポイント

『改善への10大チェックポイント』

ユーザーにとって使いやすいかどうかは一般ユーザーを使ったユーザビリティテストで明らかにできるが、それ以外にもユーザビリティのセオリーに沿った検証も有効だ。今回は自分でも簡単にできるユーザビリティの主だったセオリーと改善のポイントを解説する。

ユーザーがウェブサイトの操作中につまずく理由の多くは、ユーザビリティに起因する。それほどユーザビリティは重要なので、前回述べたような一般ユーザーが模擬操作を行うユーザビリティテストによる検証は実践したい。しかし、それ以外にも、ユーザビリティのベーシックなセオリーを見直して改修するだけでもかなりの改善を見込める。まずは自社サイトと照らし合わせてみよう。
(1)どのページにいるか位置がわかるか?
検索サイトを起点とするユーザー行動が主流となった現在、最初に着地(ランディング)するのがトップページ以外のページであることのほうが多い。その着地したページがサイト全体の中でどこに位置するのかが分かれば、ユーザーはサイト全体を把握して次の行動をしやすくなる。その位置を把握するのに役立つのがナビゲーションだ。ナビゲーションとは、ユーザーが目的のページに効率よくたどり着
けるようにする案内メニューのこと。逆に言えば、たどり着いたページがどこなのかをこのナビゲーションを通して知ることができる。
図1 どこにいるか位置を知ることができるナビゲーション
ナビゲーションはいくつか種類があり(図1)、ウェブサイトの屋台骨とも言えるサイト全体を大分類した「グローバルナビゲーション」や、セクションごとのメニューである「ローカルナビゲーション」、補助ナビゲーションの役割をする「パンくずリスト」などがある。どのページでもユーザー自身がその位置を知ることができる仕組みになっているか、確認しよう。
(2)印刷できるか?
旅行商品は基本的には「無形商品」だ。その無形商品に何万円、何十万円などと支払うわけだから、不安を払拭するためにもユーザーは記録を印刷することが多い。しかし、印刷してみると右端が切れてしまい肝心の料金部分が表示されていないということも少なくない。実際に印刷して確認してみたい。
(3)分類やカテゴリは適切か?
異なる要因を区分けなく羅列するだけだとユーザーは混乱する。その場合は同種のものをひとまとまりにすることで分かりやすくなる(図2)。たとえば、シュノーケリングや熱気球などは「アクティビティ」と分類し、B & B やコンドミニアムを「宿泊施設」と分類する(これを類同要因という)。さらにそれぞれを視覚的にくくれば(これを閉合要因という)、より理解しやすくなる。
図2 類同要因と閉合要因で分かりやすくする
(4)配置や並び順は適切か?
ユーザビリティは心理学の応用でもある。ツアーやホテルなどを紹介するにあたっての並び順にも配慮したい。並べたリストの最初と最後は比較的記憶されやすい傾向にある。レストランのディナー後のデザートで5つぐらいのメニューを案内され、最初か最後に挙げられた品物をつい選びがちになるのと同じ理由だ。それぞれ新近効果と初頭効果と呼ぶが、ウェブサイトでの旅行販売でも応用してみた
い。
(5)配色は適切か?
配色において一般的な通念と極端に異なる場合はユーザーに違和感を与える。たとえば図3は「安全」「危険」「安心」という文字と配色がユーザーにとっての通念と異なり違和感を覚えやすい。色が持つメッセージを考えたうえで配色しよう。そのほか背景と文字の色の組み合わせなども、カラーチャートなどを使いながらチグハグ感が出ないようにしたい。
図3 色が持つメッセージを考える
(6)入力プロセスは分かりやすいか?
入力で進んでいたユーザーが途中で放棄するのは、設問の多さにうんざりして逃げ出す場合か、入力の仕方が分からずにあきらめたかのどちらかだ。ユーザーの不安を払拭するためにも、手順のステップを表示したり記入例をつけるようにしよう。
(7)異なるブラウザでも同じように表示されるか?
ウェブサイトはブラウザを使って閲覧するが、種類によって見え方が異なる。また、同じ種類でもバージョンによって見え方が変わり、それは幅広く普及しているインターネットエクスプローラー(IE)でも例外ではない。さらにウインドウズ機とマッキントッシュ機でも見え方が違う。できる限り複数のブラウザで検証したい。なお前述の印刷も種類やバージョンによって異なるので合わせて検証しよう。
(8)文字サイズはユーザー側で変更できるか?
ユーザビリティを高める際のポイントの1つは、操作の主権をユーザーに渡すことだ。たとえば閲覧する文字の大きさをユーザーが自由に変えられるようにするのもその1つ。高齢ユーザーは読みやすくするためにブラウザの文字サイズ設定を「大」に設定しているケースが少なくない。しかし、ウェブサイト側で固定しているとフォントサイズは小さい文字で読むことを強いることになる。そうならないように文字サイズは固定にしないようにしよう。
(9)フレーム構造の作りになっていないか?
かつてのウェブサイトでは、フレームと呼ばれるデザインを多く見受けた。フレームとは、1ページを外枠ページや本文ページなどの複数のページで構成する作り方だ。しかしユーザーにとってフレンドリーな作り方とは言い難く、また検索サイト経由だと一部だけの表示になるなど問題が多い。一般に閲覧するページの場合、フレーム構造は避けたい。
(10)表現は適切か?
ユーザビリティは見た目ばかりではない。文章ひとつでもユーザーを的確に誘導できる。たとえばツアーの絞込検索の結果で「この条件では見つかりませんでした」の後に「日にちを変更するなど条件を変えて検索してみてください」などのように誘導すればユーザーは次の行動をしやすくなる。どの場面でもユーザー目線で考えるようにしよう。
(2009年3月2日号掲載)